June 09, 2005

時代に揺れたハイタトラ天文台の歴史

ハイタトラ天文台建設当時現在(左)と建設当時(右)のハイ・タトラ/スカルナテー・プレッソ天文台.現在,ハイ・タトラ地域には3ヶ所の天文台施設がある.「Headquarters and Observational Facilities(山麓にある本部)」「Skalnate Pleso Observatory(標高1800mにある天文台)」「Lomnicky Stit Coronal Station(標高2400mにある太陽コロナ観測所)」.今回のタトラ天文台見学は,小生がここの所長であるJan Svoren博士と親しくしていたこともあり実現した.

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建設1953年スロヴァキア科学アカデミーが設立.スカルナテー・プレッソ天文台はその重要な一部であった.1961年にカールツアイス・イエナの30cm望遠鏡が納入され,鏡筒はそのままで2001年に61cm反射鏡に入れ替えられた.つまり元々は30cm望遠鏡用のドームであったものが,現在は61cm望遠鏡のドームとして最大限有効利用しているのである.



天文台外観スロヴァキアのカールツアイス・イエナ望遠鏡には曰くがある.第一次世界大戦後に再び誕生したチェコ-スロヴァキア(スロヴァキア側)に天文台を作ろうという働き掛けが1922年にあり,1927年に製作,1947年にスカルナテー・プレッソ天文台に移動された,ここの天文台の主砲となった.1978年には一度解体され,1990年にモドラ天文台(the Astronomical Institute of the Faculty of Mathematics, Physics, and Informatics, Comenius University)に移された.一方,第二次世界大戦直前の1938年9月,ホルティはチェコ-スロヴァキアに対してスロヴァキアの割譲を迫り,「第一次ウィーン協定」によって南スロヴァキアを割譲.これによりスロヴァキアで中心的な役割を果たしていたフルバノヴォ(Hurbanovo)天文台がハンガリー領土になってしまった.観測機器は急遽解体されてプラハへ移動される予定であった.分光太陽望遠鏡(spectrohelioscope)は無事にプラハへ届けられたが,解体された60cm望遠鏡はプラハには届かず何故かプレソフ(Presov)に行ってしまった.そして,最終的にスカルナテー・プレッソ天文台へやってきたのである.つまり,スカルナテー・プレッソ天文台にはかつて2台のカールツアイス・イエナ製の60cm望遠鏡があり,そのうちの一台が現在モドラ天文台にあり,小生はこの旅で,時代に揺れた2台の兄弟望遠鏡を見学できたことになる.現在,スカルナテー・プレソ天文台(Skalnate Pleso Observatory)には,惑星間空間部門所有の60cm望遠鏡(左)と星間空間部門所有の40cm望遠鏡(右)がある.40cm望遠鏡を収めているドームよりも60cm望遠鏡ドームの方がずっと小さいのが面白い.

ロゴ同研究施設が出版する国際論文誌「Contributions of the Astronomical Observatory Skalnate Pleso (CAOSP)」に今度小生の研究を投稿してみようかな.来年多分またここには来るので,その時は自分の観測を行ってみたい.





60cm60cm反射望遠鏡にはCCD(ST8)が付いており,彗星・小惑星のフォトメトリー(測光観測)とアストロメトリー(位置観測)が行われている.

40cm40cm反射望遠鏡は,主に変光星の観測が行われている.フォトメーターが付いており0.01等の精度での測光観測がメインである.






モドラ1兄弟望遠鏡である,モドラ天文台の61cm望遠鏡.

andromedayaki at 23:59│Comments(1)TrackBack(0) スロヴァキア 

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この記事へのコメント

1. Posted by コンシェルジェ   December 20, 2006 15:14
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