July 04, 2005

彗星破壊ミッション「Deep Impact」成功

DP-1「ディープ・インパクト(Deep Imact)」ミッションの速報映像が送られてきた。NASAは,アメリカ独立記念日の今日(7月4日4日午前1時52分(日本時間同日午後2時52分)),彗星を破壊することに成功した。インパクトの瞬間をNASA−TVで観ていたが,予想以上に明るく輝いた。詳細は,今後発表されてい。bannerクリックしてブログランキングのご協力をDP_image


DP-2DP-3重さ370kgの銅の塊を秒速10km(時速3万6千km)で彗星にぶつけた今回の彗星探査は、これまでの探査というイメージではなく酷く乱暴で破壊的なミッションだ。もちろん我々研究者からしてみれば、これまで全くの未知である彗星の内部を垣間見ることのできる千載一遇の実験である。しかし、科学と軍事は常に紙一重の関係だ。今回の成功によりアメリカはより規模の大きな破壊探査を行うに違いない。このような探査は、純粋な科学的好奇心だけでなく、宇宙における軍事開発の要素も含んでくると思われる。宇宙という新たな舞台における軍事的優位性を独占する(裏の)目的で、アメリカは今後もこのような破壊ミッションに容易に予算を付けていくだろう。一方非核三原則のある日本の宇宙開発は、原子力エンジンを使って遠宇宙へいくことすらできない。そもそも日本がDeep Impactミッションを掲げていたら、アメリカは猛反発したかもしれない。我々が今年行う小惑星探査隼は、僅か数秒間小惑星に触れただけで表層のサンプルを採取する非破壊ミッション(重さ5gの弾丸を秒速3百mで撃ち込むが)である。Deep Impactの破壊探査とは対照的に、なんてエコロジーなミッションなんだろう。今回破壊したテンペル1彗星の内部にヤマトに登場した「白色彗星帝国」があったりしたら、これはテロ行為、宇宙戦争の始まりだな。

DI-HubbleKitt Peak










DP_IRspect

andromedayaki at 15:08│Comments(0)TrackBack(0) 宇宙・天文・気象・自然科学 

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SOLA

流星-彗星-小惑星を追い求め世界を放浪する天文学者の四方山話。地球(チェコ-台湾)を拠点に宇宙・科学・文化・芸術・音楽を楽しむ旅人生ブログ。

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