July 19, 2005

東欧の緑の妖精の囁き「アブシンス(アブサン)」

ThujoneAbsintheチェコでは「アブシンス,アブサン(Absinthe)」はカフェなどでも普通に扱っており先日我々も飲んだが,これは本物ではない。アブサンが創生された18世紀は,ツヨン(Thujone)の濃度が30ppm(1ppm=0.0001%)程度で,ゴッホやピカソなどの芸術家達にもてはやされた19世紀末には10ppm程度だった。その後禁制期になりアブサンは地下に潜った。東欧(旧共産圏)などでは密造が続いたが,業者による品質のばらつきが大きく紛い品が横行しており,正真正銘のアブサン(ツヨン10ppm以上)を我々庶民が口にすることは難しいようである。近年の新合法アブサンは,ニガヨモギ(学名Artemisiaabsinthum)からツヨン分子除去を行い(フレーバーには,ニガヨモギは少なくアニスが使われている),ツヨン濃度は2ppm以下の合成的な風味で,アブサンへの夢を無残にも打ち砕いたものだとか。日本でもEG基準に則った合法アブサンが入手できるが,評価に値しないそうだ。今日では密造品でしかお目にかかれない代物だが,プラハでは飲めそうな気がする。誰か本物のアブサンを飲める場所をこっそり教えてください。bannerクリックしてブログランキングのご協力を

Thujone; C10H16Oは分子量152のモノテルペンケトンの一種で,向精神作用があり,大麻の活性成分テトラヒドロカンナビノール(Δ-THC)と同じ中枢神経の受容体に作用すると考えられている。

andromedayaki at 23:59│Comments(0)TrackBack(0) チェコ 

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SOLA

流星-彗星-小惑星を追い求め世界を放浪する天文学者の四方山話。地球(チェコ-台湾)を拠点に宇宙・科学・文化・芸術・音楽を楽しむ旅人生ブログ。

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